ファミリー&フィアンセコンプレックス

□家族、増える。
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「お母さん、再婚するから。」
「「「は?」」」

珍しく早く家に帰って来た母親の言葉にあっけにとられる。

「それで、お母さんの再婚相手達に今から会ってほしいんだけど?」
「え?」

状況把握がいまいち出来てないテツヤ。

「今すぐですか?」

何となく状況把握が出来たテツナ。

「・・・・・というか、”達”?」

母親の言葉にひっかかりを覚えたテツノ。

「そう。ホテルのレストランを貸切にしてるから今すぐ再婚相手達に会って欲しいの。」
「・・・・え?重婚?」
「いいえ?重婚で同性婚よ。」
「「「はあ!?」」」

何時ものポーカーフェイスが完全に崩れた三つ子達。

「もしかして、最近母様が法律改正したのって・・・自分の為?」

一ヶ月前、母は結婚に関しての法律を改正した。
その内容は、同性で結婚を可能にする事と大昔の様に複数の相手と結婚出来る重婚可能という法律だ。
表向き母は、同性婚は差別化を失くす為、重婚は少子化を防ぐ為と言っていたが本音は違ったらしい。

「そう。」
「自分の欲望の為だけに法制改正したんですか!?」

信じられないものを見る様な目でテツヤが母を見つめる。

「あら?確かに私の為でもあるけどそれで喜んでいる人は沢山居るわよ?なら問題ないじゃない。」
「・・・・・もういいです。勝手にして下さい。」
「勝手にしてるわ!」
「・・・・・・・・・母さん。」

胸を張ってドヤ顔な母の顔を見て、テツヤが項垂れる。
その横ではショックで固まっているテツナ。
そして少し離れた場所にプリンを呑気に食べてるテツノが居た。

「兎に角相手を待たせたら悪いからさっさと、テツヤはスーツ、テツナとテツノは着物に着替えて頂戴。スタイリストさんを呼んであるから。」

そういうと、部屋に三人の女の人が入って来る。
母のお抱えのスタイリストさん達の一部だ。
そして三つ子は彼女達に引きずられる様にメイクルームへと連れて行かれた。
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