ウォーゲーム

□消えた二つの影
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「何?もう終わり?」

人通りのない、誰も知らない様な廃墟に三つの人影。
そのうちの一人である少女は全身ボロボロになり、頭からは大量に血が流れている。
それでもかろうじで意識は保っているのか、その眼は二人の人物・・・少年達の姿をしっかりと捉えている。

「・・・はぁ・・・はぁっ・・・はぁ・・・はぁっ!」
「・・・・や・・・だ・・・め。」
「つまんないな〜?君達はもっと骨があると思っていたんだけど、僕の見当違いだったかな?」

唯一無傷で息一つ乱さないでにこにこと笑っている人物が首を傾げる。

「君達のパーツは素晴らしいものなのに、オリジナルでもある使用者が使いこなせていないのならただの宝の持ち腐れだよね?」
「・・・・・・・お前なんかに僕の・・・僕達のパーツを渡すもんか!」

本来なら少年にある筈の右腕が綺麗に切り取られた様に無くなっている。

「そんなボロボロな格好で何が出来るの?君達は結局天才には敵わない。どんなに素晴らしいものを持っていてもその上を行く天才達には届かない。そうでしょ?」
「・・・・・黙れ!」
「駄目っ!」

挑発に乗った少年は完全に頭に血が上り、目の前にいる少年しか目に入らなくなる。
冷静さを欠いた少年を止めようと少女は必死に手を伸ばすも、”両足を奪われた”状態ではその場に向かう事も出来ない。
ぐしゃりと、嫌な音が響き渡る。

「・・・・っごほっ!」
「あ〜あ、出来れば無傷で”貰いたかった”んだけどな〜?」
「・・・・あ・・・ああ・・・・。」
 

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