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□崩れた絆
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「きゃぁあああああああ!!!」

一人の女の歪んだ願いによって全ては壊された。






いつも通りに部活の為に部室に向かう黒子は珍しく一人で居た。
それがいけなかった。

ガシャンッ!!

「何ですか!?」

部室の方から大きな音が聞こえてくる。
その音は鳴り止むどころか更に大きくなっていった。
黒子は急いで部室に向かい扉に手をかける。
扉を開けるとそこには、不自然に凹んだロッカーにズタズタに切り裂かれたユニフォームとバッシュ。
レギュラーメンバー達の大切なもの・・・青峰のグラビア雑誌は所々が破かれ落書きがされており、紫原の非常用お菓子袋は中身が飛び出ているだけでなく粉々に、緑間のラッキーアイテムであるウサギの置物は真っ二つに、黄瀬のお気に入りのタオルは泥まみれな挙げ句二度と使用出来ないくらいにボロボロにされ、赤司のエナメル質のバッグは肩紐が引き千切れてチャックが壊れて刃物で切り裂かれた傷がある。
なのに自分のロッカーと持ち物だけは無事だ。
そして部室には一人の女がカッターを片手に若干乱れた姿で立っていた。

「・・・・・白鷺さん?」
「ああ、黒子君。もう来たの?早いね。」

白鷺は虚ろな目でこちらを見ている。

「・・・・・何をしてるんです?」
「ん〜、あんたをキセキから引き離す準備?」
「あの・・・どういう・・・?」
「邪魔なの。」

いまいち状況が掴めない黒子はそれでも嫌な予感を感じて部室の扉から一歩下がろうとする。

「あんたが存在する限り私はキセキ達の一番になれないの。」
「・・・・はぁ。」
「だからキセキ達にあんたが嫌われれば良いのよ。そうすれば私は一番になれる!」
「・・・・一番・・・ですか。」
「そう!だから・・・・・嫌われて?」

そういうと同時に白鷺は持っていたカッターで腕を切り裂き、自分で自分の頬を腫れるくらいに殴り、ブラウスのボタンが引き千切れる勢いではだけさせた。
それを見た黒子が思わずかろうじて保っていた部室に入らないという唯一の砦を捨ててしまう。
その瞬間。

「きゃぁああああああああ!!」

彼女の悲鳴が響き渡った・・・。
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