performance

□崩壊の始まり
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「は〜・・・。」
「ため息やめろ。轢くぞ。」

とある公園のブランコに二人の男子高校生が座っている。

「んな事言われても、無理ですって。だって、理不尽でしょ!?強制退部とか、俺等の話を一切聞かずにっすよ!?」
「・・・・・そうだけどよ・・・。」
「数ヶ月しか居なかった俺はともかく、二年間一緒にバスケをしてきた宮地さんを信じないとかありえないじゃないですか・・・。」
「・・・・高尾。」
「原因がいなくなってもこのままなら俺達も転校出来ませんかね・・・?」

高尾は無意識にそっと、赤くなっている頬を撫でて言う。

「・・・無理だろ。学費とかどうすんだよ?」
「ですよね〜・・・。」
「あれ?秀徳の?」

場の雰囲気にそぐわない明るめの声が響く。

「お前っ・・・・霧崎の!?」
「・・・・原?」
「んな、警戒すんなって。試合中じゃないからなんもしねーよ。」

そこにいたのは前髪で顔が隠れて見えない、風船ガムを常に膨らませている霧崎の原一哉だった。

「で?何してんの?こんなとこで。日曜とはいえ王者秀徳は練習じゃねーの?」
「・・・・・・部活は辞めた。」
「へ〜、何で?」
「他校生のお前には関係ない事だろ。」
「・・・・ふ〜ん。」
「一哉。何してるんです?真が荷物置いて勝手にいなくなんなと怒ってますよ?」
「「「うわ!?」」」

ひょこっといきなり水色の髪の少女が現れる。

「・・・何で一哉まで驚くんです?」
「いや、不意打ち止めろよ!びっくりするだろ!?」
「それよりも秀徳バスケ部レギュラーの二人に何してるんです?」

ギロリと少女が原を睨む。

「え?何で俺が加害者っぽい事になってんの?」
「・・・・まあ、冗談ですけど。それよりも、高尾和成・・・・君?」
「え?俺?」
「その頬、そのままほおっておくと症状が悪化して腫れますよ?」

そう言いながらどこから出したのか救急箱を片手にてきぱきと高尾の頬の怪我の処置を施す。

「・・・・あ、ありがとうございます。」
「いえ。それよりも他に怪我している所で処置していない所はありますか?」
「え・・・何で俺が怪我してるって・・・・。」
「動きが不自然だったので顔以外にも怪我してるだろうと思っただけですけど?後、僕は君と同じ歳なので敬語はいりません。」
「え?そうなの?」
「はい。」
「おいテツノ!原は見つかったのか?」
「あ、花宮。」

タイミング良く花宮がやって来る。

「あれ?秀徳の・・・。」
「そー。練習あんじゃねーの?って聞いたら辞めたって言うんだけど?」
「辞めた?」
「だから他校生には関係ねーって言ってんだろ!?轢くぞ!」
「・・・・・それは今流れている噂に関係してますか?」
「なんで!?他校に広がってないはずじゃ・・・!?」

しまったと、言う様に高尾が口を押さえる。

「やっぱり何かあんな?」
「教えろって。別に取って喰う訳でもねえし。ファミレスでも寄って話そうぜ?」
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