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□思いがけない出逢い
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その後、花宮はどんな手を使ったのか合法的に黒子を花宮家の養子にした。
養子の事に関しては花宮の両親も賛成してくれ、事情を話した上で歓迎してくれた。
学校も教師を脅して行かなくても卒業出来る様にしたらしい。
花宮の両親は黒子をいたく気に入ったらしく、社会勉強の為として一人暮らしをさせていた息子を実家に戻した。
その為、今は花宮が住んでいるセキュリティ万全な花宮家の屋敷で暮らしている。
驚いた事に花宮の実家は緑間の家の隣だった。
勉強の方は花宮に教えてもらっている為、問題はない。
花宮が学校に行っている間は使用人達のお手伝いをしたり、花宮家の話を聞かせてもらったりしている。
更には忙しい合間を縫って花宮の両親が黒子を構いがてら交流。
今日も何時もの様に使用人のお手伝いをしていた。
お手伝いが一段落して、気分転換に外の空気を吸いに庭に出た時だった。

「・・・・・テツヤ?」
「・・・・・・あ・・・・真太郎君・・・。」

用事が終わって丁度帰って来たのだろう。
その手には旅行用のキャリーバックが握られており、ラッキーアイテムであろうアナログの目覚まし時計を持っていた。

「何故お前が真さんの家に?それよりも学校は?」
「・・・・・学校には行ってません。」
「何故?」

本気で不思議そうに首を傾げる緑間を見て黒子は安堵する。
この様子からして緑間の耳には黒子の噂は届いていないのだろう。
事件の事も知らないようだ。

「それは・・・・「こいつが学校中から虐められてるからだよ。」

すっと、黒子の横に花宮がやって来る。

「真さん?」
「兄さん!?学校は?」
「ああ、今日は午前中だけだ。部活も休み。」
「そうなんですか。なら、お帰りなさい。」
「ん。ただいま。」

ぽすっと、黒子の頭に手を置いて優しく撫でる。

「・・・・は?」

思わず間抜けた声を出した緑間に気付いていないのかいるのか分からないが、花宮は気にせず黒子を撫でていた・・・。
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