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□秘めた想い
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月の光が差し込む神社の石段に、一人の男が座っていた。
鮮やかな紫に蝶の柄。
女性が着るような着物を纏っている。
高杉晋助―――。
過激派の攘夷志士。
彼にはかつての友でも計り知れない闇が、心を侵食していた。
孤独感と、喪失感。
この女々しい感情は何だ?またあの頃のように、四人で一緒に居たいというこの思いは一体何だ??
もしかして……淋しいのか??
はっ…俺が弱ってんなんてありえねー。
「何だぁ?珍しいじゃねーか、こんな所にバカ杉が居るなんて」
目の前に一つの影。
その姿を確認し、高杉は驚きながらも非難する。
「てめーこそなんでこんな所に居んだよ天パー」
「あぁ?散歩だ散歩。悪ぃかよ??」
そんな事を言いながら俺の隣に腰をおろす。
「別に……」
本当にこいつは掴めない奴だ。
昔も何か不安になった時、銀時が自然にいつの間にか傍に居てくれた。
何を喋る訳でもなくただ落ち着くまでずっと、一緒に………。
もしかして俺は銀時に甘えていたのか??