短編

□生きてる理由(わけ)
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ED後・ふたりで帰って来ているのお話ですので注意して下さい






何もかも、死ぬ事ですら恐くなんてない。
そう、いつだって夢中で、俺はお前の事しか考えられないんだから…………。






【生きてる理由(わけ)】



ND2020.ローレライデーカン・レム48の日

ふたりの聖なる焔の光、帰還すーー








「え、明日は休み!?」


それは、突然の事だった。



この世界に帰って来て早三ヶ月。

帰還を祝うパレードやら、祝いの夜会やら、勉強やら公務やらで瞬く間に日々が過ぎて行った。
休みもない忙しい生活に明け暮れていたのだが、明日は休みになるという。

突然の休日。


私室で王族としての勉強を行っていたふたりに、いきなり訪れた公爵が告げた。
公爵がそれを告げて直ぐに部屋を出た後、呆然と聞いていたふたりは扉の閉まる音でハッと気付く。


「明日、休み……?」
「………の様だな」


明日は何だろう、公務が回ってくるかもしれない、等と話していた矢先の事で。

ぽーんと投げ与えられた休みに戸惑う。


「えぇぇぇぇ!!?明日……何しよう……」


と、ルークは早速休みの事しか頭にない。
ゆっくり寝たいなーとか、剣の稽古したいなーとか微笑ましく話し出す。

その隣で浮かない顔をしているアッシュに気付かないままー…。


「そうだ!なぁアッシュ、明日外出しないか?」
「外出?」
「そ、弁当と剣持って、ピクニック!」
「…ガキか」
「いーだろ別に!何となく街から出たいんだよ」


ガキ、と言われた事にルークは顔がむくれるが、しかし楽しそうに話す。


「で?何処に行くんだ」


さらりとルークの頬を擽り悪戯な指は髪と遊ぶ。
優しい手に眼を閉じ、気持ち良さそうにルークはうっとりとして。

「いいのか…?あ、場所はアッシュには内緒だけど」
「何でだ」
「いーから俺に任せてよ……!」


ひとしきり愛撫を堪能した後、善は急げと言わんばかりにルークは立ち上がる。


「明日の準備してくるなっ!」


告げるが早いか次の瞬間には部屋を出ていた。
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