小説(long)

□一片に、舞う プロローグ
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「それでもっ、信じたかったっ!!」

ナルトはそう叫んで、俯く。
その身体が、ガタガタと震えて、いた。

「ぜってぇ、取り戻すってっ、決めてっ、・・・ずっと、俺、お前んことっ・・・」

「俺は、お前を、切り捨てた・・・」

「関係、ねぇっ・・・」

「何度も、殺そうと、したっ・・・」

「俺は、殺されて、ねぇっ・・・」

「俺は、っ・・・」

「もうっ、何でもいいっ!!」

ナルトはサスケにしがみ付く。腕を伸ばし、その背中をしっかりと握り締める。
サスケが、戻って来てくれれば・・・、もう、何も、・・・。

「もうっ、・・・離さないっ・・・」


「お前は、本当に・・・」

サスケは未だ、ガタガタと震えるナルトの身体をそっと抱きしめる。
その、温もり。
サスケの中に僅かに残っていた、小さな蟠りさえも、それは溶かして、しまう。


「てめぇとの決着は、後できっちり、つけてやる。けど、今は・・・」

サスケはゆっくりと視線を上げる。
そう、まだ、何も終わっては、いない。

その先に、いる、本当の、敵。
うちは、マダラ−−−。


「サスケ・・・」

サスケの視線を追い、ナルトの視線もその姿に行き着く。
右目付近穴を中心に捩れ模様の施された仮面を被っている、もう一人の、暁。

「あいつが、うちはマダラ・・・」

うちは一族の創始者でもあり、暁の真のリーダー。

「ナルト、手を、出すな。これは、・・・うちはの、戦いだ」

サスケは低く、呟く。

「ぜってぇ、いやっ!」

けれど、ナルトは即座に叫ぶ。

「何度も言わせんなっ。俺ってば、みんなを守るんだってばっ。そん中には、サスケ、お前も含まれ
てんだよっ」

「・・・俺は、お前を、守りたいんだ」

サスケは真っ直ぐにナルトを見やう。

マダラの狙いは、ナルとの中の、“九尾”。
もう、これ以上・・・。


けれど、ナルトはサスケを真っ直ぐに見つめ返し、首を、振る。

「サスケが俺を守ってくれんなら、俺が、サスケを守るっ。俺は、・・・サスケと一緒に戦いたいっ」


ずっと、追いかけて。ずっと、取り戻したくて。
ようやく、手にした、もの。


「なぁ、サスケ。早く終わらせて、帰ろう。みんなの、ところへ」

一緒に。



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