小説(long)

□一片に、舞う プロローグ
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「あっ、でもよぉ、次の俺達のチーム名考えてもいいんじゃねっ?」

「その前に目的、よねっ。やっぱり、新メンバー探しよねっ!水月の代わりに超強くてカッコいい
男をわんさかとっ♪」

「てめーっ!いっぺん、死にやがれっ!!」


ぎゃいぎゃい騒ぎ始める二人に、サスケは思わず笑みを漏らす。

「諦めたか・・・?」

隣に立つ重吾がサスケを覗き込む。


サスケは口元を緩めたまま、仕方なく「ああ」と応える。
そして、小さく呟く。

「お前達も、本当に、バカ、だな・・・」

どいつもこいつも、本当に、バカばかりだ。



「お前も、本当にバカだってば、よ・・・」

そこに、聞こえる、声。
サスケはゆっくりと、振り返る。

本当は振り返らなくとも、誰なのかなんてわかりきっていた。
そう、そこにいるのは、うずまきナルト。

まだ、額と右頬には大きな絆創膏、そして、右手には包帯を巻いているのが見える。
恐らく、その他にもまだ怪我をしているはずだった。

それでもさすがの回復力、なのかもしれない。
戦いを終えた時のナルトは瀕死の状態、だったのだ。

マダラとの戦いで“九尾”自身も傷を負い、その大半のチャクラを消費していたはずだが、どうやら
ナルトの身体を治す程度のチャクラは残っていたらしい。
そのことに、サスケは思わず安堵の溜息を付く。


「やっぱ、行っちまうって、ば・・・?」

ナルトはそう言って、僅かに笑う。

随分と、大人びた表情をするようになった。


「お前、・・・」

サスケはそっと唇を噛み締める。


「俺達は、先に行っている」

重吾はそう言って踵を返し、そのまま水月、香燐を促す。
一瞬、顔を顰めた二人だが、それでもしぶしぶと頷き、重吾の後に続き、三人は静かに姿を消した。


月明かりの下、金色の髪がその光を受けて輝く。

「ホント、水臭い、ヤツだってば」

一言くらい、挨拶があっても良くね?
ナルトはぷくっと、頬を膨らませる。
その子どもじみた仕草に、なんとなくホッとする。


ナルトは一旦俯き、そして顔を上げると真っ直ぐにサスケを見つめる。

「もう、追いかけない」

だって、・・・

「もう、お前はちゃんと、戻ってきたから・・・」

たとえ、生きている場所が離れていたとしても、きっと、繋がってる、から。

「そう、だろ・・・?」


信じてる−−−。
ナルトの瞳は、青く、そして、どこまでも透き通って、きれい、だった。



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