小説(long)
□君を思う、あの空の下
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「ネジ、でかくなったってば」
なるとが悔しそうに唇を噛みながら、ネジを見上げる。
「そうか?それ程ではないと思うが・・・」
ネジは首を傾げ、真面目に答える。その様子にシカマルが溜息を付きながら、なるとの
頭をポンポンと叩く。
「だーかーら、お前が縮んでんだよ。オラ、座れ。遊びに来た訳じゃねぇんだ」
「わ、わかってるってばっ」
まるで子どもをあやすかのようなシカマルの様子に、綱手は笑い出す。
「やはりお前に預けて正解だったな。シカマル」
笑いを堪えながら言う綱手を、シカマルは無言で睨む。
「まぁ、いろいろ面倒を掛けてすまないとは思っているさ。だが、結果としちゃ、
それ程悪くないだろう」
諜報部の活躍は聞いているぞ。
綱手の言葉に、シカマルは大きく息を吐く。
「どうせ、苦労しているのは俺だけっすからね」
「俺の過去の苦労、少しはわかっただろう?」
カカシが面白そうにシカマルを見やう。
「あんたを、尊敬しますよ。カカシさん」
シカマルは負けじと嫌味を返すが、カカシは笑ったままウンウンとうなづく。
「な、何だってばっ、綱手のばぁちゃんもカカシ先生もっ。俺だってば、シカマルに
迷惑かけないようがんばったってば、よぅ」
なるとが、なぁ、とばかりにサスケを見る。
けれど、サスケは表情を変えぬまま、僅かに横を向く。
「なるとががんばってるのは認めるよぉ?でもねぇ、シカマルも色々大変なのよ」
カカシが笑いを堪え、サスケを見やう。
サスケはジロリとカカシを睨み返す。
「まぁ、仲が良くて何よりだけどね。なぁ、サスケっ♪」
「・・・ってめぇ」
見る見るサスケの表情が変わる。今にも写輪眼を出しそうな雰囲気に、なるとが慌てて
サスケの腕を取る。
「サスケ、ダメだってばよっ。もうっ、カカシ先生もサスケを怒らせないでってばっ」
なるとはギュッと、サスケの腕を掴む。
「サスケってば」
なるとに見つめられ、サスケは仕方なく息を吐き、感情を押し殺す。
「その辺にしておけ、カカシ。今日はそんなんことのために集まった訳ではないだろう」
綱手が机に肘をつき、その手に顎をのせる。
「オラ、とっとと座れ」
シカマルに促され、なるととサスケもようやく席に着く。
「っとに、お前らが来ると賑やかでいいがな・・・」
綱手は目を細め、二人を見渡す。
「今日はちと面倒な話だ。そのためにネジも同席してもらう」
綱手の言葉に、ネジは黙ったまま頷く。
最後にシカマルが腰を下ろし、僅かな沈黙が流れる。
綱手はふぅ、と長い息を吐く。
「そろそろ決着を付けねば、ならない・・・」
綱手の低い声が、静かに部屋に響いた。
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