小説(long)

□君を思う、あの空の下
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(ん、なんか苦しい、ってば・・・)

思わず呻く。

(それに、これ、血・・・の匂い?)

なるとはゆるゆると意識を取り戻す。
身体が重い・・・。

(あれ・・・?なんか誰かに抱きしめられてるみてぇだってば・・・)

ふっと、瞼を上げる。

(サス・・・ケ・・・?)

「えっ・・・!?」

思わず目を見開く。

「サスケっ!」

なるとは回されていた腕を押しのけ、慌てて身を起こす。
血の気のない顔、傷だらけの・・・身体・・・。

「何で、だってば・・・?」

頭が回らない。

(これ・・・夢?)


「やっと起きたか・・・」

突如聞こえる声。思わず顔を上げる。目の前にあるそれ・・・。

「九・・・尾?」

(なんで、九尾がこんな近くにいるってば?)

辺りを見回す。ここは・・・。

「九尾の檻ん中?」


なるとは記憶を辿る。
そうだ、追いかけて追いかけて、やっとサスケを掴まえたのだ。

その手に掴んだサスケの腕−−−。

けれど、目の前に現れた“うちはマダラ”。
うちは一族最強と言われた男−−−。


マダラの目的は、なるとの中の九尾。
それは驚くほど長い時間をかけ、巧妙に仕組まれた、『計画』。



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