小説(short)
□あの日の君と(上)
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『人は、大切な人のために、強くなれるんです』
白の言葉が、何度も蘇る。
『君には、大切な人が、いますか?』
白は、敵だったけれど、戦わなきゃいけない相手だったけれど、嫌いになんて、なれなかった。
できれば、わかり合いたかった。友達に、なりたかった。
けれど、結局は、戦わなければならなくて・・・。
それでも、白は、なるとに大切なものを教えてくれた。
白の一途な想い、それは“忍”としての存在の意味。“生きる”ということの、意味−−−。
何のために、戦うのか。
何のために、生きるのか。
自分は、考えたことがあっただろうか−−−。
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