小説(long)
□一片に、舞う プロローグ
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プロローグ-2
「な、・・・なぜ、あんたが、此処に、いる・・・っ」
サスケは思わず後ずさった。
静かに姿を現したのは、イタチ・・・だった。
サスケは目を見開き、何度も首を、振る。
殺した、筈の、イタチ。
この手で、殺した・・・。
イタチはゆっくりと片手を上げ、その人差し指をサスケに向ける。
『真実を、見極めろ』
そう、イタチの言葉が聞こえた途端、サスケの視界は暗転した。
木々がうっそうと茂る、森の中。
一つの人影が、邪悪なチャクラを纏い何かの術を発動しようとしていた。
サスケはそれに気付き、夢中で駆け出した。
何故かは、わからない。
ただ、止めなければ、と思ったのだ。
しかし、それは目の前で大きく膨れ上がり、巨大な異空間への口が開き始めたのだ。
サスケは思わず立ち尽くす。背筋を、冷たいものが、伝う。
そこから流れ出る凄まじいチャクラ。禍々しい、それ。
自分はそれを、知っている−−−。
サスケは目を見開き、その光景を凝視していた。
ゆっくりとその姿を現す、−−−“九尾”。
「これは、まさか・・・」
『15年前、だ』
突如、その声がし、サスケは振り返る。
そこには、イタチが静かに立っていた。
『お前がいる、場所。そこに、私が、居た』
イタチはそう言って、視線を上げる。
サスケはつられたように、そこを、見た。
僅かに人影が動き、その顔が視界に入る。
「あれ、は・・・」
『うちはマダラ』
サスケはイタチを仰ぎ見る。
『“九尾”はうちはマダラにより、この木の葉の里に召喚された』
その言葉に、サスケはギュッと目を瞑る。
「嘘、だ・・・。マダラは、“九尾”の出現は起きるべくして起きたものだと・・・。自然災害のような
ものだったと・・・」
『真実は、変わらない』
そう言い残し、イタチの姿は霧のように消えた。
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