小説(long)

□君を思う、あの空の下
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【第3章】眠りの時


『大切な人を守るために、“九尾の力”は使わない−−−』

なるとは過去に誓った。
そう、自分の力で守らなければ何の意味もないのだと、ヤマト隊長に教えられた。
自分自身を信じ、自分の力で強くなること−−−。
それが、九尾を宿していてもなお、なるとが“うずまきなると”である証なのだと。

それに、九尾の力は諸刃の剣。
なると自身、意識を保ち、九尾のチャクラをコントロールできるのは、九尾の尻尾が
3本現れたところまでだった。
以前、大蛇丸との戦いで4本目の尻尾が現れたときには、なるとは自我を失い、そし
て、仲間であるサクラ傷つけた・・・。

今現在、自分がどこまで耐えられるのか、なるとにすらわからない。
さらに、九尾のチャクラを身体に纏うことは、なるとの身体にも大きな負担を与え
る。そう、それはなるとの命を確実に削っているのだ。

そのことを忘れた訳ではない。
けれど、今、なるとにとって大切なことは“大切な人を、大切なものを守ること”。

ごめんなさいってば、ヤマト隊長。

俺ってば、それでもみんなに、生きていて欲しい−−−。


それに、九尾の力全てを引き出せば、なるとの身体は恐らくそれほど長くはもたない。
そして、なるとが死ねば、九尾も死ぬ。
その器がなくなれば、九尾は存在できないのだ。

九尾に好き勝手させるつもりはないってば。

だから、その間に決着をつける−−−。


なるとは思う。
これは全てを終わらせるための戦いじゃない。
これからの、未来のための戦いなのだ。

なるとは、その身を蝕む赤いチャクラを見つめる。

「最後まで、付き合ってもらうってばよっ」


さあ、行こう。未来を掴み取るために−−−。



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