小説(short)
□幸せの温もり
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幸せの温もり(HP開設記念SS)
俺ってば、知らなかったんだってば。
他人(ヒト)の温もりがこんなにも気持ちいいものだったなんて。
抱きしめてくれる腕も、髪を優しくなでてくれるその手も、
ちょっとだけ触れてくるその唇も・・・。
ちょっとくすぐったいけど、“幸せ”を感じるんだってば。
ねぇ、俺ってば、同じものを返したいよ。
繋いだ手をギュッ、と握り締める。
「どうした?」
振り返って見る。心配そうな黒い瞳。
「へへっ・・・」
見られると恥ずかしいってば///。
あわてて俯く。足元を見つめて、ちょっと後悔。
も一回、顔みたいけど、どうしよう。
「なると」
呼ばれる名前、近づく気配。
どうしよう、すごく、好き・・・。
好き、好き、好き・・・。
「好き、だってば。サスケ」
こんなにも、好き。
「///、な、なに言ってんだ。このバカっ」
照れた顔も大好き!
「だって、好きなんだもん」
これから先、何があるかわからない。
きっと、楽しいことだけじゃなくて、辛いことや悲しいこともあるんだろうな。
そんなこと、わかってるってば。
それでも、あなたの温もり、優しさを忘れたくない。
今のこの想いを、忘れたくない−−−。
「なると、こっち向け」
両頬に掌の温もり。
見上げた視線の先。・・・思わず目をつぶる。
「・・・んっ」
優しく触れる唇。
「俺も、好きだっ///」
離れた唇が耳元でささやく。
ああ、俺ってばやっぱりすっごい幸せ!
だから、何度でも言っていい?
ねえ、
「大好きだってば!サスケ!」
end. (2008.6.28up)
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