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□本当の悪夢
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■■ 本当の悪夢 ■■


サスケは時々、夜うなされる。
それにナルトが気付いたのは、同じスリーマンセルになってからしばらく経ってからのこと。
泊りがけの任務になると、必然的にサスケの隣で眠ることになるナルトは、何度かサスケの呻き
声で目をさました。

最初は驚いて、サスケを揺り起こした。
けれど、心配するナルトに、サスケは一言「何でも、ねぇ・・・」と、呟くだけだった。
それからしばらくの間、それは何度か続いた。


サスケは数年前、一族全てを兄であるイタチに殺されている。
彼だけが、生き延びた。
一体、何があったのか、詳しいことは知らない。けれど、サスケにとっては深い、傷。

『あいつを、殺す−−−』

スリーマンセルを組んだ日、サスケはそう言っていた。
復讐のためだけに生きるのだと、そう、言い切ったのだ。

うなされるサスケを見つめながら、ナルトはギュッと唇を噛み締めることしか出来なかった。
何とかしてあげたいと、思った。
けれど、どうしていいかなんて、その頃のナルトにはわからなかった。

それでも、スリーマンセルを組んで半年ほど経った頃には、それも無くなった。
静かに眠るサスケの寝顔を見て、ナルトはホッと、した。
サスケが少しずつ、“復讐”という枷から抜け出せつつあるんだと、勝手に思ってた。

けれど、中忍試験を終えてから、サスケの様子は明らかにおかしくなった。
一時は、お互い分かり合えた気がしたのに。

『お前とも、戦いたい』

そう言われて、うれし、かった。
やっと、サスケの隣に立てたきがしていたのに。
サスケは何かを隠してる、それがナルトにも、わかった。


(何で、何も言ってくれないってば・・・)

その顔に薄っすら翳る目の隈を見るたびに、胸が苦しくなった。

サスケはいけ好かないヤロウだと思っていたけれど、それでも本当は、いつも追いかけてた。
近づきたくて。
サスケに仲間だと、認めて欲しくて。

ぶっきら棒で、プライドが高くて、・・・・
でも、本当はすごく、優しい。
そんなことは、とっくに、知ってる。
ただ、不器用なのだと、思う。
いつも、悪態をつきながらも、ナルトを助けてくれた。
何度、サスケに救われただろうか。

けれど、素直になれないのは、自分も同じ、で・・・。
ライバルとして認めて欲しいからこそ、負けたくなくて。
でも、それはやっぱり、自分がサスケを追いかけているからなんだと、サスケが自分の目標だから
なんだと、わかってた。



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