最期のステンドグラス
□″ダーキィ"の闇
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『うそ、そんな事ってあるの?!』
「あるも何も、信じるしかないよ」
そう言った彼自身の目にも、隠しきれない驚愕の色が浮かんでいた。
自分たちが狩っていたのは、自我のない黒い塊だ。
人間の闇に巣喰う敵。
しかし目の前で小さく震え俯くこの少女は、どう見ても"ダーキィ"と同じものには思えなかった。
『でも、おかしいわよ。
今までの"ダーキィ"はこんな形してなかったわよ!』
「知ってるよ…僕だって分からない」
少しヒステリックぎみに叫んだ彼女はそのまま、がしり!と少女の肩をつかむ。
そして着ていた一見着物にも見える服をはぎ取った。
『「!!!!」』
胸に何重にも巻かれ固く結ばれているサラシ。
首から下がっている鈍い光を放つステンドペンダント。
そして…………
腕から肩にかけて彫られた繊細な模様を描くクロアゲハのタトゥー。