小説

□キセキ
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中学3年生の夏、志望校を変えた


俺みたいな馬鹿には絶対入れない超エリート進学校

まわりは大反対したがそれでも諦めなかった



彼に逢いたい
ただそれだけだ





たまたまテレビをつけたらやっていた

甲子園なんてこれっぽっちも興味がない俺
でも凄い事になっていた



今までノーヒットノーランという大記録を更新しているピッチャーが居た
びっくりすることに彼はまだ1年生

しかもとても綺麗な顔立ちをしている

野球ド素人の俺が見てもわかるぐらいフォームが綺麗だ

彼は無事にノーヒットノーランを達成し優勝した
そしてインタビューでのこの一言



『人生は99%の苦しみと1%の幸せ』



名前は『新倉薫』


彼の姿を見た瞬間
彼の言葉を耳にした瞬間

俺は彼のことで頭がいっぱいになった





彼に逢いたい










――4月
奇跡が起きたみたいで無事に超エリート進学校に入学できた
入ってしまえばこっちのもんだ


やっと逢える





待ちに待った部活見学
俺はすぐに野球部のいるグラウンドに行った


去年の甲子園優勝高校
やはり小学生ぐらいから野球やってなきゃついていけないぐらいレベルが高い

俺なんかが入ってもきっと3年間球広い決定だ


そして見学者が多い
半分は入部希望者のがたいのいい男達で
半分は彼目あての女子達


だか彼の姿が見当たらず今日の練習には現れなかった


体調でも悪いんかな…

せっかく逢えると思ったのにがっかりや…




それから1週間

彼の姿はなかった。おかしいと思って野球部に入った同級生に聞いてみた


「あ〜なんか新倉先輩って超ワガママみたいであまり練習にこないみたいだよ。噂によると今年に入ってから練習来てないみたいだし…」




なんやそら。
部活出ろやっ!2年生の教室回ったが彼の姿は見当たらない




そして3週間が過ぎた


俺なんのために勉強したんや…
途方に暮れてさっさと帰ろうとしてたら


「おっ、安藤ちょうどよかった。物理実験室に返してきて」

「嫌やあ〜先生自分で返してきてや」

「先生今から会議なんだよ〜ほな頼んだで!」

「物理実験室って一番角っこで遠いやん…」








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