Cp

□ブラックコーヒーに砂糖を混ぜて
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久しぶりに取れた休日。

あーあ……


平日じゃなくって、土日なら最高なのになー

そんな小さなワガママを笛吹さんに、こっそりぶつけつつ、スーパーで生活必需品の買い出しをする、俺……


そういや、クラッカーの残り数が少なくなってたよな。


クラッカーも買うか。次に休日があるのなんていつか分からないし。


「桂木!!試食なんて食ってないで行くぞ!!」
「ちょっと待って!!この、チョコだけ……」


野太い男の声がしたと思ったら、桂木の横には当たり前だけど、男がいた。


学ランを着てるし、桂木だって制服だし………


俗にいう、放課後デートですか…………



「あ……!!匪口さん!偶然ですね!!」


桂木は俺に気付いたらしく、にっこりと笑う。


俺達、付き合ってるんだよな?

桂木………


だって、そうだろ。


一ヶ月前に俺から告白して、OKしてくれたじゃんか………


メールだって、いつもしてるじゃんか……


「匪口さん……?」
「そういうことかよ。桂木……」
「え……」
「ま、いいけどね。仲良くやんなよ」



桂木に一方的にぶつけた言葉……



嘘ばかり。


ちっともよくない。
早く別れろ。


そんなことばかり、思う俺………



最低な男だよ。俺って……


好きな女の子の幸せを願うことも出来ないなんてさ………


逆を言えば、そんだけ桂木が好きってことか……


桂木に言ってしまった言葉が俺を責める。


「くそっ…………」



桂木にも、あの男にもイライライライラ………



小さい男のくだらない嫉妬っていう感情。


スーパーを出ると、雨が降ってきた。


「マジかよ………」



かなり、激しく降ってるし………


「バイバーイ」
「またな。桂木」
「うん。明日、学校でね」



スーパーの入り口には、桂木の姿……


雨に濡れたっていい……桂木に言わないと……



「桂木っ!!!!」
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