Cp

□たまには、こんな日も。
1ページ/1ページ


「匪口さんのバカっ!」

そう言うなり、桂木は俺ん家を飛び出て行った。

あーあ……。悪いことしちゃったな。髪を切ったことに気付かなかったし、遊びにきてくれているのに、仕事してたし。


桂木は……優しいから時間が立てば許してくれるだろうけどさ。

だって俺の方から「ゴメン」なんて恥ずかしくって言えないしさ。


俺はテレビをつける。

『時間が解決してくれるって?どんどんカベ作るくせに!「やっぱ君じゃなきゃ駄目で」』

歌番らしい。何度か見たことはあるけど、名前は知らないアーティストが歌っていた。

その言葉は俺の中に残る。


そうだよ。俺が謝らないと。じゃないと、キョリが出来て桂木に対する後悔が積もっては消えなくなる。


俺はマンションの階段をかけ下りる。


「匪口さんっ!」

ぎゅ。


桂木は俺に抱きついてきた。

「ちょっ!///桂木っ!」
「えへへへ////匪口さんなら来てくれるって信じてました」
「ゴメン……ごめんな。桂木」


そして、信じてくれてありがとう。

「匪口さん、大好き!」
「うん……うん。俺も大好きだよ」


いつだって一番に考えるのは、君は元気にしてるかな。とか、君の笑顔とか。

結局は君のことなんだ。


こんなにも好きなんだってことを悔しいくらいに分かったし、君の存在は俺の胸に深く刻まれていることも悔しいくらいに分かったんだ。


だから、たまにはこんな日もいいよね。


end



◆◆はい。作中に使われた曲はmisonoさんの二人三脚です。うん◆◆
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ