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□その気持ちさえあれば
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笹塚さんの誕生日だから。


ケーキを焼くことにした。


のに。

「本当、馬鹿……」


どうして、食べちゃったのよ!!!

悲しくなる……。


今から、作っても間に合わないよね。


「……はぁ」

そりゃ、一口は残ってるけど……

1ホールなかったら、悲しいよね……



なんて考えてたら、インターホォンが鳴った。


「弥子ちゃん、来てたの」
「はい……」
「なんか、美味そうな匂いが……」


笹塚さんの視線の先にはケーキ。

「焼いてくれたの?」
「はい……でも」
「食べちゃったのか」


笹塚さんはおかしそうに笑い始めた。


「いや、弥子ちゃんらしいからさ」


ケーキをつまみつつの微笑み。


「サンキュー、美味いよ。甘さ控え目だし」

気付いてくれたんだ。

「笹塚さんが甘いの苦手そうなんで、豆腐ケーキにしたんですよ♪」
「そうだったんだ」
「えへへ/////」



その気持ちさえあれば、愛は伝わるんだね──



◆◆すいませんすいませんすいませんっ!!!笹塚さん、ハッピーバースデーです!!◆◆
 

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