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□本当の理由は
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「こんばんは〜。匪口さん差し入れです♪お疲れ様で〜す」
「ああ。桂木……」
「あの〜。匪口さん?」

俺の机に置かれた、缶ビールを見て、桂木は目を丸くした。

「あーこれ?笹塚さんのを盗んだんだよ。内緒だからね。桂木…あぅう」
「酔ってるじゃないですか!!」

ヤバイ。ちょっとだけのつもりが……。

「酔わせて欲しくってさぁ!!あはははっ!!」
「未成年でしょ!?匪口さん!!飲んだら、駄目ですよ!!!」
「桂木だって、飲んでんだろ?他人のこと、言えないって!!あはははははっ!!!」

桂木は俺から、距離をとる。

寂しいだろ……。一人は寂しいだろ……。

「桂木ぃ………」

俺は桂木の腕を掴む。

「匪口さん……?」

そして、俺の方に引き寄せて───

軽く、本当に軽くキスする。

「駄目!匪口さん!!」

ぱしんっ!!

桂木に頬を叩かれ、我に返った。



「桂木………」
「あっ!!」


桂木は顔を真っ赤にして走り出した。


追い掛ける気力なんてなかった。


胸が苦しい……。


ごめんな。桂木。
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