シャナ長編
□第2話 黒幕
1ページ/7ページ
マージョリー「はぁあぁっ!!」
…ゴッ!!
マージョリーの放った群青色の巨大な炎は、周囲直径500m程を一気に焼き尽くし、数十の徒(ともがら)達は断末魔の叫びをあげる間もなく散っていった…
マージョリー「はぁはぁ…あとどんだけ殺ればいいのよ!」
マルコシアス「今のを5、6回くらいやりゃあ大方片付くんじゃねぇか?ま、もうほとんどガス欠だけどな」
疲弊しきったマージョリーとは正反対に、マルコシアスはおどけた感じで返事を返す。
一見ふざけているように見えるが、これはマルコシアスなりの激励なのである。
マージョリー「誰がガス欠ですって?やってやるわよ!!」
マージョリーは再び巨大な火球を作り出す。
しかし、その火球の完成を前に、一体の徒が背後に迫ってきていた。
マージョリー「…しまっ!?」
善鬼「…弔詞の詠み手殿!!」
…斬っ!!
徒の牙がマージョリーに届く直前、間一髪駆けつけた善鬼が徒の首を刎ね、火の粉に変えた。
善鬼「…ご無事か?弔詞の詠み手殿」
マージョリー「アンタは…敵、ではなさそうね」
善鬼「私は晴樹様にお仕えする戦闘用燐子(りんね)の善鬼という者です。晴樹様の命により、弔詞の詠み手殿の助太刀に参りました」
善鬼は周囲の徒達を切り刻みながらマージョリーへ丁寧に挨拶をする。
その戦闘力は凄まじく、先程まで百体は居ただろう徒達は約半数にまで減っていた。
マルコシアス「へぇ〜やるな!燐子の性能は術者の力量で決まる…あの晴樹ってガキ、かなり出来るぜ!」
マージョリー「フン、燐子なんかに任せてないで、私たちもやるわよ!!」
マルコシアス「おうよ!!」
マージョリー達も善鬼に負けじといくつもの火球を放ち徒たちを討滅していった。どうやらこちら側の制圧は時間の問題だった。