暗い系の小話
□連鎖する死
1ページ/1ページ
恋人が死ぬ
殺害される
最愛の者の死
愛しき者の死
私に残されるのは
殺人犯への憎しみと
彼がいないという、皮肉な現実………。
何の役にもたたない警察への苛立ち。
いないはずの彼が私に呼び掛けた。
『早くおいでよ、俺は此方だよ。』
あぁ彼は死んでなかったんだ。今までのは私の見た夢なんだ?
廃ビルの屋上に虚ろな目をしたひとつの影がたつ………。
『早く此方だよ。』
影は頭に語りかけてくる声の主の方へ近づいて行く。
いつの間にか影はフェンスを越えていた…………そして一歩一歩ゆらゆらと歩いて行って…………屋上から飛び降りた。
誘う
誘う
死は
死の連鎖を
↑の死はまた新たな死を呼び、
↑の死もまた新たな死を呼ぶ、
そうして永遠に繰返される…
死の連鎖。