□あなたの命、査定してみませんか?
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「お前、超好きなんだけど。」
「それみんなに言ってるんでしょ?」
「言わねぇよ。俺、ホントの事しか言わねぇし。」
「もぉ…。あのね、こないだ欲しいって言ってた時計あるじゃん?…はいコレ。」
「うっそ!!マジで?くれんの?」
「プレゼント♪」
「超うれしんだけど!!どうしよ。マジ嬉しい。お前サイコー!!超アイシテル。」
「ねぇ、今日もドンペリあけちゃっていい?」
「サイフ大丈夫かよ?w」
「今日給料日だったから大丈夫〜♪」
「お前また給料日きたのかよ〜!ドンペリ入りまーーす!!」

アクセサリーを質屋に持って行った。
私にはお金がない。
別に借金があるわけではない。
ただ、好きな男に色々買ってあげたいだけ。
片思いなのはわかってる。いわゆる色恋だってこともわかってる。
なんてったって、出会った場所は…ホストクラブなんだから。
彼のためなら、なんだってできる。
友達と遊ばなくってもいい。
彼の「お前サイコー」が聞けるならなんだってできる。
月に1回はドンペリを飲む。
毎日バイトを掛け持ちしながら、正社員にしてくれる仕事を探しながら
3日に1回は彼に会いに行く。
毎日会いに来てる女もいるらしい。
恋のライバルに勝つためにはやっぱり、プレゼントをたくさん…するしかない。
彼はお店のナンバー2。彼の夢はナンバー1になること。
だから私が全面的にバックアップできるようになりたい。
そんな感じで、最近は質屋に通うようになった。
バイト先で私を気に入ってくれてる男がよく私にプレゼントをくれるから
それをその男の前で大事に何日か使ったら、質屋でサヨウナラ。
もらって質屋に直行することも増えてきた。
だって、お金が欲しいから。
でも、ここ数日はその男が私に脈がないことを悟り始めてきた気がする。
精一杯思わせぶってるつもりだったんだけど、
これでプレゼントがストップしたら、今度はどうやってお金を作ろうか…。
ネオンの下で働くことも一瞬考えた。
でもそうすると、彼のお仕事と時間がかぶってしまう。
お金ができてもこれじゃあ意味がない。
だから昼に働くしかない。
こうなるんだったらもっと勉強して良い大学行くんだった。

私は今日も質屋に行った。
‘ニセ’ダイヤは安かった。
口をとがらせながら私はブラブラと歩きながら開店時間を待った。
もちろん彼のお店の。
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